『マネジメントとは、事業に命を吹き込むダイナミックな存在である。』
P.F.ドラッカー,現代の経営《上》 第1章
マネジメントは、あらゆる意思決定と行動において、経済的な成果を第一義とします。
企業の活動には従業員の幸福、コミュニティーの福祉、文化への貢献など非経済的な成果があります。しかし経済的な成果をあげられなければ、マネジメントは失敗です。消費者が進んで支払う価格で商品やサービスを提供しなければならないのです。
1.事業をマネジメントする
事業をマネジメントするということは市場や経済の動きに対し、迅速かつ合理的に適応することは必要です。
しかしマネジメントの働きは、受動的に適応するだけではありません。変化を計画し、その実現の先頭に立つ責任があるのです。
学校で出される問題や課題には答えがあります。つまり必ず正解があるということです。事業においての課題には正解はあるかもしれませんが、それは事前には分からないのです。
例えば『顧客を増やす』という課題には、無数の選択肢があります。マネジメントは理解するものではなく実践することです。望ましい結果をもたらすために行動するということなのです。そしてマネジメントの評価基準は成果なのです。
2.経営管理者をマネジメントする
企業が持つ資源のうち、成長と発展を期待できるのは人的資源です。
人の成長あるいは発展とは、何に対して貢献するかを自ら決められるようになることです。経営管理者への投資は数字に表すことができず、帳簿に出ていなくともその投資は大きいものです。この投資を活かすことが重要であることは言うまでもありません。
経営管理者をマネジメントすることは、企業をつくることであると言っても過言ではないのです。
3.人と仕事をマネジメントする
人と仕事のマネジメントとは、仕事を生産的にし、働く人に成果をあげさせることです。仕事は作業と手順のことで生産的とは効率より効果的にするということです。(詳細は「16.人と仕事のマネジメント」に掲載しています)
4.現在と未来をマネジメントする
企業のマネジメントは、常に現在と未来の双方を考えなければなりません。
目前の利益を優先しすぎて将来(研究開発・人財育成・新規事業など)をないがしろすると、未来を失うことになります。将来の利益を優先しすぎて現在をおろそかにしてしまえば、将来もありません。調和させることは容易いことではありませんが、少なくともバランスはさせなければなりません。